蟻巣の作り方
2000年2月 蟻飼育普及協会 
1.石膏掘りガラス蓋型観察蟻巣 GG型 鹿児島式
2.プラスチックケース石膏掘りガラス蓋型観察蟻巣 PGG型 本格連結式
3.プラスチックケース・スポンジ敷きガラス蓋型簡易観察蟻巣 PSG型 簡易式
4.プラスチックケース石膏敷き木枠ガラス蓋型観察蟻巣 PGWG型
 プラケース:P 石膏:G ガラス:G 木枠:W 



石膏掘りガラス蓋型観察蟻巣 GG型
 
            GG型の特徴
 長い時間をかけて、アリ研究者が開発した蟻巣です。大型〜中型のアリ向けで、小型のアリはシャーレやプラスチックケースなどを利用しているようです。

              材料
ガラス板
木材(教材用角材 2×30ミリ)
石膏(教材用)
水溶性塗料(ネオカラーなど顔料系が良)
ガラス切り
彫刻刀
タッパーウェア、プラスチックケース
ビニールパイプ
アクリル板(厚さ2ミリ)
アクリルカッター
注解1:材料入手
1.ガラスは、ガラス屋さんに行って半端ガラスをもらいます。最近はアルミサッシの窓が主流なので、薄いガラスの需要は減っています。普段から気を付けていて捨ててあるガラス戸などを拾います。金持ちは買って下さい。
2.木枠にする角材、石膏および彫刻刀は、小学校の近所の文房具屋さんで買います。最近、石膏を置いてある店は少ないですが、注文すれば文具ルートで取れます。1キロ袋10個入りを買わされるかもしれません。美術材料の店があればそこにも置いてある可能性は高いです。角材は、模型屋さんにも置いてある可能性は高いです。家にあるプラスチックや段ボールでも使用可能です。
3.塗料は、絵の具、ポスターカラー、染料、ネオカラーなどなんでもよいです。が、後者の顔料系塗料の方が色褪せしにくいと考えられます。
4.タッパーは、100円ショップか日用雑貨屋さんで購入します。家にあるものでも可能です。
5.ビニールパイプは、金魚屋さんか日用雑貨屋さん
6.ガラス切り、アクリルおよびアクリルカッターは、雑貨屋さんかホームセンターのような店に置いてあります

             制作手順
蟻巣
1.蓋になるガラスを切ります
2.木枠を作ります
3.水に塗料を溶かします
4.色水に石膏を溶きます
5.石膏を木枠に流し込みます
6.ガラス蓋をはずし、部屋を想定してその大きさに切ります
7.部屋を掘ります
8.外部への出入り用穴を開けビニールパイプを差し込みます
9.赤のアクリル板を切ってカバーにします
餌場
10.タッパーウェアに穴を開けビニールパイプを差し込みます
11.タッパーの蓋になるガラスを切ります

注解2:作成
1.ガラスの切り方を知らない人は、知っている人に相談した方が良いでしょう
2.木枠は、セロテープ、ビニールテープまたはガムテープなどで固定します
3.石膏を入れたときガラスが動く可能性があるので、セロテープか両面テープで固定します
4.必要量の60%の色水を用意し、石膏を表面タプタプまで入れます。表面の水を捨てて、力強く撹拌します(これを怠ると固くなりません)。木枠に流し込み、隅まで石膏が入るようツンツンします。
5.部屋を掘らずに段ボール、粘土などの型を置いてから石膏を固める方法もあります
6.昆虫は、人間と認識する光の波長が違い、赤い光は認知しないと言われています。そこで赤いアクリルを置くとアリは暗く認識に落ちつくようです。



プラスチックケース外殻石膏掘りガラス蓋型観察蟻巣 PGG型
 2003年6月 蟻飼育普及協会
 
            PGG型の特徴
 石膏を掘った蟻巣でガラスを蓋にすることにより巣内を観察できます。プラスチックケースに入った構造になっているのが特徴で、GG型よりも乾燥しにくく、飼育場所や手が石膏で汚れない利点があります。

              材料
プラスチック(アクリル)ケース、ドリル
ガラス板、ガラス切り
水溶性塗料(ネオカラーなど顔料系が良い)
石膏(教材用)、彫刻刀、ビニールパイプ
アクリル板(厚さ2ミリ)赤、アクリルカッター
フラワーアレンジメント用吸水スポンジ

注解1:材料入手
1.ガラスは、ガラス屋さんに行って半端ガラスをもらいます。最近はアルミサッシの窓が主流なので、薄いガラスの需要は減っています。普段から気を付けていて捨ててあるガラス戸などを拾います。金持ちの人は買っても良いです。
2.石膏および彫刻刀は、小学校の近所の文房具屋さんで買います。最近、石膏を置いてある店は少ないですが、注文すれば文具ルートで取れます。1キロ袋10個入りを買わされるかもしれません。美術材料の店があればそこにも置いてある可能性は高いです。
3.塗料は、絵の具、ポスターカラー、染料、ネオカラーなど。後者の方が色褪せしにくいと考えられます。
4.プラスチックケースは、100円ショップか日用雑貨屋さんで購入します。
「クリアー整理ケース No.383」:山田化学
 三重県上野市大内岩根662-1 0595-20-9177
5.ビニールパイプは、金魚屋さんか日用雑貨屋さん、ホームセンターのような店に置いてあります
6.ドリル、ガラス切り、アクリルおよびアクリルカッターは、雑貨屋さんかホームセンターに置いてあります


             制作手順
蟻巣
1.ケースに通路穴:ケースの脇に通路用の穴をドリルであけます
2.ガラス切り:蓋になるガラスを切ります
3.色水に石膏:水に塗料を溶かし、石膏を入れかき混ぜます
4.石膏流し込み:通路用のビニールパイプを差し込み、石膏をアクリルケースに流し込みガラスを乗せます
5.ガラス切り:ガラス蓋をはずし、部屋を想定してその大きさに切ります
6.部屋掘り:部屋を掘ります
7.通路作り:外部への出入り用穴を開けビニールパイプを差し込みます
8.アクリル板切り:赤のアクリル板を切ってガラス板の上に乗せます
餌場
9.アクリルケースに穴を開けます
10.ビニールパイプを差し込みます
11.スポンジを切り、水を含ませ入れます
12.餌置き用のプラスチックキャップを置きます

注解2:作成
1.通路穴:チューブがちょうど入るサイズにします。ムネアカ飼育で不自由のない8.5mmを基本にして、通路を狭くする場合は細いチューブを差し込んで調整しましょう。下の方にあけます、上方だと欠けて蟻が出入りしてしまいます。
 ドリル刃:8.5mm鉄工用
2.ガラスの切り方を知らない人は、知っている人に相談した方が良いでしょう。ケースより一回り小さく。
 板ガラス:148×98mm A6版
3.石膏:500ccの水で2個作れます。付けたい色と黒を入れ濃いめの色水を作ります。茶色、青色がお勧めです。石膏を表面タプタプまで入れます。表面の水を捨てて、力強く撹拌します(これを怠ると固くなりません)。
水:10×15×3×0.6=270cc 2個分500cc
 石膏:800g(1kgで余る)
4.ケースに石膏を流し込み、隅まで石膏が入るようツンツンします。ガラスを乗せて、少し押し平らにします。
5.ガラス切り:4部屋、6部屋が基本です。
6.アクリル板:昆虫は、人間と認識する光の波長が違い、赤い光は認知しないと言われています。そこで赤いアクリルを置くとアリは暗いと認識し落ち着くようです。
 アクリル板:148×98mm A6版



プラスチックケース石膏敷き木枠ガラス蓋型観察蟻巣 PGWG型
 2003年6月 蟻飼育普及協会
 
            PGWG型の特徴
 「石膏掘り蟻巣」と「簡易蟻巣」の中間的存在。特別な利用方法も考えられる。
 アクリルケースに石膏を10〜15mm敷き、木枠とガラス板で蟻巣とする。高さ調整が木材で可能である。餌場をチューブで繋げる方法とガラス板の内部分を餌場としても良い。赤アクリル板を動かすときにアリを驚かすのが欠点である。
 通路穴に潜られそうなコロニー、乾燥のおそれがある無女王コロニー、複数の脱翅メスによる初期コロニーなどに向いている。
             材料
プラスチック(アクリル)ケース、ドリル
ガラス板、ガラス切り、木材
水溶性塗料(ネオカラーなど顔料系が良)
石膏(教材用)、ビニールパイプ
アクリル板(厚さ2ミリ)赤、アクリルカッター
制作
蟻巣
 500mlの水で3〜4ケース作れます。



プラスチックケース・スポンジ敷きガラス蓋型簡易観察蟻巣 PSWG型
 2003年6月 蟻飼育普及協会
 
            PSWG型の特徴
 水分を給水スポンジで維持するのが最大の特徴です。
「乾燥による死亡」を防止できます。小さい切りガラス板があれば、簡単に作ることが出来ます。
 脱翅メスを拾った初期の段階で使うのに向いています。働蟻がスポンジを囓って内部に入ってしまうので、
働蟻の羽化が始まったらPGG型に移動するのが良いでしょう。

             材料
プラスチック(アクリル)ケース、ドリル
ガラス板、ガラス切り、木材
アクリル板(厚さ2ミリ)赤、アクリルカッター
フラワーアレンジメント用吸水スポンジ

吸水スポンジ利用の「簡易蟻巣」
 「フラワーアレンジメント用吸水スポンジ」=商品名「アクアフォーム」があります。生花を挿すためのもので、サイズ8×11×22cm程度で「100円ショップ」「ホームセンター」で購入できます。台所用スポンジとは全く違い、吸水性が非常に良く「乾燥防止」最適です。

欠点
・カビが生える
・囓って穴をあける。コロニーが下に潜る
・存在が毒かもしれない

長所
・吸水性が高く半年は吸水なしで大丈夫
・掘って潜り込むのでコロニーの生活は安定する。

制作手順
1.プラケースに穴をあけ
2.蟻の大きさを考え、スポンジを薄く切り(10×5×1cm)、合わせてガラス、木材、赤色アクリルを切る
3.水分維持用に3〜5cmのスポンジを入れる

PGG型への移動
 働蟻が増えたり、コロニー観察が必要になった段階で、PGG型石膏蟻巣を作成・連結し、簡易蟻巣は餌場にすると良いでしょう。




                   






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